畳といえば、昔ながらの「い草」が定番。でも最近は「和紙表」の畳も登場し、見た目も機能性も多様になっています。
この記事では、畳を選ぶときに知っておきたい「い草畳」と「和紙畳」の違い、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説。
そもそも「畳表(たたみおもて)」とは?
畳は3つの部材から構成されています:
- 畳表(たたみおもて)…表面部分。実際に肌が触れる部分
- 畳床(たたみどこ)…芯材。畳の厚みと踏み心地を支える
- 畳縁(たたみべり)…畳の長辺に付けられる布地
今回のテーマである「い草」や「和紙」は、この畳表の素材です。畳表によって、見た目・触り心地・耐久性などが大きく変わります。
天然い草の魅力とは?
い草畳は、日本人の暮らしに寄り添ってきた伝統の床材です。自然素材ならではの香り・肌触り・風合いが、和の空間に落ち着きとぬくもりを与えてくれます。
✅ い草畳のメリット
自然の香り:い草の香りにはリラックス効果があり、心を落ち着かせてくれます。
高い調湿効果:湿度が高いときは吸湿し、乾燥時は放湿。快適な空気環境を保ちます。
自然素材の安心感:化学物質が含まれないため、小さなお子様にも安心。
和室にマッチする美しさ:時間と共に飴色に変化し、深みのある味わいが生まれます。
⛔ い草畳のデメリット
湿気の多い環境ではカビ・ダニが発生する可能性があります。
日焼けで色が変わる(ただしこれも「味」として好まれることも)
擦り切れやすいため、使用頻度の高い部屋では定期的な表替えが必要です。
和紙畳の特徴とは?
和紙畳は、和紙をこより状にして樹脂コーティングを施した機能性重視の畳表。カラーバリエーションも豊富で、現代的なインテリアにもマッチします。
✅ 和紙畳のメリット
防カビ・防汚性に優れる:掃除がしやすく、シミになりにくい。
色が変わりにくい:紫外線に強く、いつまでも新しい色合いを保てます。
高い耐久性:摩耗に強く、へたりにくい素材。
豊富なデザイン:グレーや紺など、洋室にも合わせやすいカラー展開。
⛔ 和紙畳のデメリット
い草の香りがしないため、「畳らしさ」が感じられにくい。
人工的な風合いが好みに合わない場合も。
価格が高めで、コスト重視の方にはやや負担。
比較表:い草畳と和紙畳の違い
項目 | い草畳 | 和紙畳 |
---|---|---|
香り | ◎ 天然の心安らぐ香り | × 香りはほぼ無し |
湿度調整 | ◎ 優れた調湿性 | ◯ 樹脂コーティングにより効果は控えめ |
耐久性 | △ 擦り切れやすい | ◎ 傷みにくく長持ち |
掃除のしやすさ | △ 水拭き不可、要乾拭き | ◎ 水拭きOK、メンテナンスが簡単 |
見た目の経年変化 | ◎ 飴色への変化が美しい | ◯色が変わらず安定 |
価格 | ◯ 標準的 | △ やや高め |
こんな方におすすめ
い草畳がおすすめ:
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- 和の香りや雰囲気を楽しみたい方
- 自然素材を重視する方
- 来客用の和室や寝室など、リラックス空間を大切にしたい方
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和紙畳がおすすめ:
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- 小さなお子さまやペットがいるご家庭
- お掃除を楽にしたい方
- 洋風インテリアに合わせたい方
まとめ|天然素材の温もり or 機能性の安心感、あなたはどっち?
い草畳は、香り・風合い・自然素材の魅力を備えた本物志向の畳。和紙畳は、使いやすさ・長持ち・デザイン性に優れた現代のニーズに合った畳。
どちらも魅力的ですが、「暮らしの中で何を重視するか」によって選び方が変わります。
い草=古い、和紙=新しいという単純なものではなく、それぞれの良さを活かす使い分けがおすすめです。
畳選びで迷ったら実物を見比べてみましょう。
触れて、香って、感じることで、自分に合った一枚に出会えるはずです。
当店ではどちらの見本もございます。
お気軽にご相談下さい。