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【成島畳店 五代目インタビュー】地域に根ざし、時代を超えて受け継ぐ畳職人の想い

千葉県柏市で江戸時代末期から続く「成島畳店」。今回は五代目である成島茂樹さんにお話をうかがいました。畳づくりへのこだわりやお客様への想い、少しプライベートなお話まで。地域に支えられてきたお店の魅力をぜひ感じてください。


■ 社長ご自身について

― 簡単に自己紹介をお願いします

成島畳店の五代目、昭和38年生まれの62歳です。畳職人歴は43年になります。

― 畳職人を志したきっかけは?

家が畳屋だったので、父が仕事をしている姿を小さい頃から見ていて「畳職人ってカッコ良いな」と思い、自分もやりたくなりました。

― この仕事をしていて一番うれしい瞬間は?

やはり新しい畳になってお客様が喜んでくれたときですね。すごく嬉しい瞬間です。

― 逆に大変だと感じるのは?

新畳の場合、部屋にぴったり合う寸法を取って完璧に仕上げないといけないことです。あとは重い畳の運搬も大変ですね。

― 休日はどう過ごしていますか?

映画やドラマを見たり、お酒を飲んだりして、ゆっくりまったり過ごしています。

■ 成島畳店について

― お店の歴史を教えてください

1850年、江戸時代末期から柏市で続く畳屋です。私で五代目、息子が六代目として継ぐ予定です。

― どんなお客様が多いですか?

柏市やその周辺地域の方が多いです。一度頼んでくださった方がリピートしてくださることがほとんどで、本当にありがたいです。古くからのお付き合いの工務店さんやリフォーム会社さん、既存のお客様のご紹介も多いです。

― 他の畳屋さんとの違いや強みは?

やはりリピート率の高さですね。今は息子と2人でやっていますが、息子も国家技能士の資格を持っています。歴史が長いことも、お客様の信頼につながっていると思います。

― 印象に残っている施工エピソードは?

柏市のお寺の本堂をすべて新畳に入れ替えたことです。和紙表と紋縁を使った施工で、住職さんにも大変喜んでいただきました。

― 施工で大切にしていることは?

お客様に見えないところも丁寧に施工することです。先代から「見えないところほど丁寧にやれ」と言われ続けてきたので、その教えを守っています。

■ 畳・素材へのこだわり

― 畳の魅力を一言で表すと?

日本の気候に合っていることです。湿気を吸って室内を快適に保ち、夏は涼しく、冬は暖かくしてくれます。

― 素材選びで気をつけていることは?

卸問屋さんに色々なものを持ってきてもらい、見比べてより良いものを仕入れるようにしています。品質管理責任者のセミナーも受けていて、品質の知識を活かしています。

― い草と和紙表、それぞれどんな人におすすめ?

い草表は天然素材を好む方、い草の香りを楽しみたい方に。和紙表は小さいお子さんがいるご家庭や、色のバリエーションを楽しみたい方におすすめです。

― 長持ちさせるコツは?

こまめな換気や、椅子などを引きずらないなど、丁寧に扱っていただけると長持ちします。

■ お客様へのメッセージ

― どんな気持ちで畳を届けていますか?

お客様に「畳替えをして良かった」と喜んでいただけるように考えながら仕事をしています。

― これから畳替えを考えている方へアドバイス

天然い草なのか和紙表なのか、新畳か表替えかなどを考えておくと良いと思います。わからないことがあれば相談や見積もりだけでも対応しますので、まずはお気軽に話を聞いてみてください。

― 地域のお客様に伝えたいこと

長年支えてくださっている地域のお客様には本当に感謝しかありません。ありがとうございます。それと、最近柏市でも「安さ」を強調する畳の広告が増えていますが、あまりおすすめはしません。どうか気をつけてください。

― 今後の目標や夢を教えてください

まずは目の前の仕事をしっかりこなすこと。そして柏から千葉、関東、日本、世界に成島畳店を知っていただくのが一つの夢です。

■ ちょっと柔らかめな質問

― 畳以外でハマっていることは?

休日の映画やドラマ鑑賞ですね。意外とそこから新しいアイデアが生まれることもあります。

― 子どもの頃の夢は?

調理人をやってみたいと思ったこともありました。

― もし畳職人じゃなかったら?

43年間ずっと畳職人をやってきたので、正直ほかの仕事は想像もできません。

成島畳店は、地域に根ざした歴史と職人の技を大切に、今日も一枚一枚心を込めて畳を仕立てています。畳替えを考えている方はぜひ、五代目の想いを知った上で相談してみてはいかがでしょうか。