柏で170年続く畳屋、三世代でお盆のお墓参りへ
千葉県柏市で創業170年を超える畳屋「成島畳店」。
今年のお盆、私たちは少し特別な時間を過ごしました。
それは、4代目・5代目・6代目の三世代そろって、先祖のお墓参りに出かけたこと。
畳屋として歩み続けてきた170年という歴史。
その重みと、今につながる日々への感謝を改めて感じた一日となりました。
代々受け継がれてきた、柏の畳屋の想い
柏の地で畳屋を営んできた成島家。
4代目は昭和12年に柏市で生まれました。
昔の柏は今のようににぎやかではなく、畳もすべて手縫い。
朝から晩までい草の香りに包まれ、真っ黒になった手でひとつひとつ畳を仕上げていったといいます。
戦後の混乱、復興のまちづくり、高度経済成長期──
その中で柏の人々の暮らしとともにあったのが、畳のある風景でした。
5代目はそんな父の背中を見て育ちました。
職人気質の4代目とは時に衝突もしながら、機械化や新素材への対応を進めていきました。
「畳って変わらないようでいて変わるんだよな。だけど人の暮らしを支えるって意味は変わらない」
そう語る5代目の言葉には、伝統と現代をつなぐ誇りが詰まっています。
そして今、6代目がその背中を追いかけ始めました。
まだ不器用ながらも、手を動かし、お客様と話し、少しずつ“畳屋”の道を歩いています。
先祖に伝える「ありがとう」と「これからも」
お墓の前では、自然と言葉少なに手を合わせました。
柏のまちで仕事を続けてこられたのは、間違いなくご先祖様のおかげです。
「柏で畳屋を続けさせていただいています」
「家族でこうして手を合わせることができています」
心の中でそうつぶやきながら、静かな感謝を込めました。
蝉の声、風の音、土の匂い。
墓前に立つと、どこか時間が止まったような感覚になります。
三世代それぞれの心に残ったこと
帰り道、6代目が言いました。
「この仕事って、昔は“ただの家業”だと思ってたけど、今は違う気がする」
彼の中に、何かが芽生えたのだと思います。
柏のまちで代々守られてきた畳の仕事が、ただの“仕事”ではなくなった瞬間でした。
その言葉を聞いた4代目は、短く「うん」とだけ返し、5代目は静かに微笑みました。
三人の心の中に、「次に託す」準備がゆっくりと始まっていたのかもしれません。
畳の技術は教えられる。でも、「想い」は感じ取るしかない。
それを伝える場として、お墓参りはとても大切な行事だと感じます。
柏の地で、畳とともにこれからも
畳は、見た目以上に奥が深いものです。
素材、厚み、縫い方、香り、空気感。
お客様が何気なく過ごす部屋の「足元」にある大切な存在です。
柏のまちで170年、私たちはその一枚一枚を大切にしてきました。
そして、これからもお客様の暮らしに寄り添っていきます。
三世代でお墓に手を合わせたことで、背筋が伸び、心が整いました。
「成島畳店」として、これからも真面目に、正直に、そして温かく。
柏のまちと人々に恩返しをしていきたいと、心から思っています。
最後に──柏で畳のことなら、ぜひご相談ください
畳の張替え、新調、和室のリフォームなど、柏で畳のことなら成島畳店へ。
初めての方でも安心してご相談いただけるよう、丁寧に対応いたします。
これからも、柏で愛される畳屋として、代々の想いを込めた畳を一枚一枚丁寧にお届けしてまいります。